鏡の間のクリスマス~Dolls Party 40~
ドルパ40 「鏡の間のクリスマス」
パリの小さなアパルトマンで、お人形のような少女たちがおしゃべりをしています。
「ヴェルサイユ宮殿っていう、とっても美しいお城があるそうよ。」
「お母様に、お話しを聞いたことがあるわ。」
「とても美しい王妃様が、住んでいらしたそうよ。」
「夢のようなお城に行ってみたいわ。」
少女たちのおしゃべりを、パリに住む小さな魔法使いの少女が聞いていました。
「いいことを教えてあげるわ。クリスマスの夜に、お星さまにお願いをするの。
そうしたら、妖精様が願いをかなえてくださるのよ。」
クリスマスの夜、少女たちはお星さまをみつめて、お願いをしました。
その夜、少女たちの夢に、クリスマスの妖精が現れました。
クリスマスの妖精が言いました。
「ヴェルサイユ宮殿には、鏡の間という、それは美しいお部屋があります。
あの光の方を御覧なさい。」
少女たちのお部屋の片方が光り輝いていました。
その光の中から、優しそうな双子の妖精が微笑んでいます。
「私たちは、王妃様が愛していらした薔薇の妖精です。」
「今もお庭に咲いているんですよ。」
また、光の中に別の妖精が現れました。
「私は、鏡の間を司る者です。今夜は、宮殿に住む者たちが鏡の間に集います。
小さな姫君たちもいらっしゃい。」
少女たちが、鏡の間の妖精に導かれて、光の中へ進むと、そこは月の光に美しく照らし出された、大きなお部屋でした。
素晴らしく大きなシャンデリアと、たくさんの鏡が、月の光を反射してキラキラと輝いていました。
でも、もっと少女たちの目を輝かせたのは、その部屋に集う妖精たちの美しさでした。
「私たちは、お優しかった王妃様を思い出して、クリスマスの夜に集うのですよ。」
少女たちは、夢の中で、キラキラと輝くクリスマスの一夜を過ごしました。